
01最先端の経営学は役に立つの?
メグミ | 「経営学に最先端があるんですか?」 |
亀川教授 | 「もちろん,最先端がなければ,先端もないし,今の常識化した基礎的な内容もありませんから。最先端の研究とは,ある分野で一番進んでいると思われる研究ですね」 |
メグミ | 「進んでいれば良いということではないようですね」 |
亀川教授 | 「経営学の最先端の研究は,社会科学としての性格上,厳密な予測や特定の問題解決につながる可能性が少ないのです」 |
02経営にはなぜ,多様性が必要なの?
亀川教授 | 「一人の知識量には限界がありますね。多様な人々が集まって,意見を出し合うことが重要なのです」 |
メグミ | 「現在の大学教育では機能しないかもしれないのはどうしてですか?」 |
亀川教授 | 「同じ年代というのは,同じテレビを観て育ちます。同じ音楽を聴いています。流行も同じ時代に同じものを感じた人たちです」 |
メグミ | 「同じ学部・学科に在籍している学生は,同じような知識と経験をもった同質の人々ということですね。会社も同じかもしれません」 |
03商品の価格は誰が決めるの?
メグミ | 「商品の価格って経営者が決めているんですよね」 |
亀川教授 | 「もちろんです。でも,市場の競争がちゃんと働いていると,高すぎる価格では売れないし,安すぎる価格設定では売れすぎて品切れになってしまう」 |
メグミ | 「たまにこんな高いの誰が買うんだろうっていうものありますよね」 |
亀川教授 | 「販売する従業員のやる気や経営者の思い入れまで,それは市場の価格情報からではわかりません。そうした情報を集めて,どうすべきなのかを考えなければなりません」 |
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―マネジメント・ジャングルを彷徨う―
亀川雅人[著]
経営学は,世の中の役に立っているのか? そして,日本の経営学は今後どうあるべきなのか? 出版社に勤める新人 南山メグミと亀川雅人教授の会話を通して,経営学の本質をイチから問い直した。 経営に携わるすべての皆様へ,日本独自の経営学の必要性を訴えた1冊。